今年も恒例の七夕のバイトにて、七夕ふろしきを売る。
売れに売れて、いやはや最後は七夕モノは売り切れてしまいました。
…なんて売り上げの話ではなく。
観光客には
「最近風呂敷が見直されてるのよね~」やら
「一枚はほしいわね~」なんて。
そうでしょう、おばさま。
お目が高いでございます。
そんなところに外国人いらっしゃい。
七夕の柄や月とうさぎの柄やら藤の柄やら、楽しんでいただけたご様子。
しかしなんか不思議な顔をする。
How to use it ?
あぁ、そうか、ハンカチだと思ってるのかしら?
包むんですよ、と教えてそばにあった電卓を包んでみせる。
こういうふうに包むんだけど、ご祝儀包んだり、箱を包んだり、お弁当包んだりするのよ、と教えるけど、まだ腑に落ちないご様子。
そうだよね、お弁当は紙袋にいれたリンゴだもんね(思い込み)。
いや、でもそうかも!
確かにね。
なるほど。
- 2006/08/12(土) 18:51:20|
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紙でつつむことについてまとめてみます。
紙の分類
・情報伝達
・包装関係
・生活関係
・文化
・空間
このうち、日本に紙が伝わったときには「情報伝達」として文書がかかれているものと、それを包む紙である「包装関係」として伝わってきました。
情報伝達で伝わってきたことは一般的に認識されていると思いますが、
包装するためのものとして伝わってきたことはあまり知られていないでしょう。その時代の「包む」は一枚の紙を折って文書を包んだものとされています。
現在も包む文化はありますが、どのような認識をもってどうやって使われているかは伝わってきたときよりバリエーションが増えてきています。
・保護・保存のために紙で包む
ex)ダンボール、美術品の梱包など
・志・贈る気持ちのために紙で包む
ex)ご祝儀袋、プレゼントのラッピングなど
大きくこの2つにわけられると思います。
とはいっても、これの両方を兼ねているものもあると思いますが。
特に手紙の封筒や、日本に初めて伝わった包装材料としての紙は両方を兼ねているものとして分類されるものでしょう。
紙で包むということにおいて、日本では穢れのなさをあらわしたり、神聖であることを示したりするために紙が使われてきました。
ご祝儀袋は折り目をつけることをけじめとして、神聖であることを示したり、折り目、折り方によって贈る行為についての意味を示していました。
また、プレゼントのラッピングにみても、プレゼントを演出する手段のひとつとしても紙が使われています。新素材としてビニールやプラスチックといったものもでています。紙との大きな違いというのが繰り返しつかえるということ、にあります。
例えばソニプラのラッピングバックはかわいいピンクやら水色やらのやらわかい手触りのビニール?バックで、プレゼントを包んでもらったあとも使うことができます。プレゼントもうれしいけど、あのバックも好きなんだよな~。
と、ほかの素材と比べていく中で、「紙で包む」という点では、古くから伝わる由緒正しいものと、贈る気持ちを演出するためのバリエーションの広がりでかわりつつあるものとに分かれることに気づきました。
それでどうするか。
かわりゆく「紙で包む」のスタイルの変遷と今後の展開をみてみよう。
気になっているのが、包んでいる紙は、他の素材とちがってあけたらおしまい?的に、贈る気持ちを飾るために包んだあとの姿が想像できないこと。
- 2006/06/30(金) 18:33:23|
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6月21日 3人で卒業研究について悩んでみる
あれこれ調べてみてわかったこと、感じたことを話していて気づいたことメモ。
3人であーだこーだ言ってみて気づいたメモ。
[包むってなによ?と悩んでみる]の続きを読む
- 2006/06/23(金) 23:09:57|
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そもそも紙で何かを包むという文化はここから始まったのかもしれません。
紙は折り目がつくというのが「志」に強く作用しています。
折り目をつけるということは、一種のけじめなのだそうです。
一回折って、二回折って・・・と、紙を折って作るもの、例えばご祝儀袋。
あの姿であるものが、さらに半分に折られて渡されたら、嬉しくないですよね。
とか、一箇所折る回数が少なかったら、ちょっと間抜け。
志で包むことには「折るルール」というものがあるのです。
お札も、紙の状態で使われ方が違いますよね。
めでたいときは「待ってました!」と、ピン札。
不幸のときにこれはタブーですよね。
折り目がつくから紙はすごい。
そして、包む文化も国や時と場合によって違います。
日本では金銭や品物をむき出しで贈ることは不粋とされています。なので、贈られた品はそのまま取り込まれて、人目をさけて開けられます。
一方、西洋では贈られたものがいかにすばらしいかを明らかにするために、包みをすぐに開けるのがマナーとされています。
文化の違いが一番大きいと思うのですが、すべてがすべてそういうわけではなく、状況によって違うということが考えられます。
例えば・・・男性から女性へのプレゼント。「開けてみていい?」といって包みをあけてみたらそこにはステキなプレゼント「前からほしかったの!」と、喜ぶ女性。
な~んてシュチエーション、結構ありますよね。これを「持って帰ってあとでみるから」な~んていったらちょっとしょんぼりですよね。
これとは逆に、お年玉をもらった子供がいたとします。「おばちゃんどうもありがとう!」ビリビリビリビリ・・・と、その場で開けてみて「うわ~、1万円だ!ほしかったんだ、ありがとう」なんていったら、たとえよろこばれてもかたはらいたしです。
さらっと言うと「時と場合」なのかもしれません。だけど、「包んで渡す」という文化があるから、自然と「おかしい」とか「あたりまえ」と思うんでしょうね。背景があるということをおさえておきましょう。
余談というか、少し気になったのが風呂敷や袱紗(ふくさ)。これはご祝儀を包んだり、贈り物を包んで運んだりといった機能を持っています。これも同じ「包む」だけど、紙ではない。紙と布の違いも、考えなければいけませんね。
タイムリーに、最近風呂敷が流行ってきているそうです。小池環境大臣がエコを目的に提案したようで、大手のデパートでは豊富な品揃えのもと売り出しているそうです。
そこでくいついたのが若い女性なんだとか。
確かにわたしも風呂敷(小さいサイズのもの)を使います。お弁当を包むのに。厚手でしっかりしているし、ステキな柄があるから。
和小物って何かと人気に火がつきやすいな~と思います。
もし紙に関する「包む商品」があったら、こういった要素が参考になりそうです。
- 2006/06/17(土) 23:39:56|
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さて、「包む」の機能についてちょっと書いていきましょう。
・保存・保護
・志(こころざし)
・+情報伝達
・移動
保存と保護は一緒なのかどうなのか、分類をしていいのかが不明ですが、【保存・保護】の面でまずみてみましょう。
引越しをするとき、おひなさまをしまうとき、どうしますか?紙で包みます。
ほかのものとぶつからないように紙と紙で空間を作るからです。やわらかく包むなら、紙じゃなくてもいいはずです。綿で包もうが布で包もうがいいはずなんだけど・・・。
初恋の味でおなじみのカルピスを思い出してください。あの瓶は紙で包まれていることを思い出せるはずです。発売当時はカルピスはかなり高価だったため化粧箱に入っていたのだそうです。その3年後に紙で瓶を巻くデザインに一新したのだそうですが、手仕事の雰囲気味わうような風呂敷で瓶を包んだイメージなのだそうです。厚手の和紙を手でもんで巻いていたので、柔らかくもんだ紙は瓶になじみ、細部の折り込みも扱いやすいのだそうです。これは保護と同時にデザインの面でも注目できますね。化粧箱入りから紙に変わったなんて初めて知りましたが、紙で高級感を出しつつ保護するという発想はきっとそう難しくもなかったのかもしれないですね。なんて考えてみました。あぁ、初恋の味。
保護・保存の代表的なところでいうと日本の仏像などが代表的かもしれません。日本では仏像、絵画、茶道具、漆器など、作品に直接あたる部分には必ず美術品包装紙というものを使っているそうです。それも作品に影響を与えない「中性紙」。そして原材料はマニラ麻と木材パルプという天然素材100%。これは柔らかさと強さをあわせ持つのです。そのため、くしゃくしゃにしてもちぎれないというからなるほどな。
さらに、小さな仏像は、綿を紙でくるんだ「綿布団」を細部にあてがい包むのだそうだ。紙+別素材を使うことでよりよく包む方法があるのだという。
美術品の梱包剤として紙をここまで手厚く扱うのは世界でも例がないそうです。紙、絹、木の作品が主である日本文化が、紙をより発展的にさせたものだといえるでしょう。すばらしい。
紙が保存や保護に使われるのには、紙の可変性にあるのではないでしょうか。紙はくしゃくしゃにしたら、少しもどりはしてもそのままくしゃくしゃでいてくれます。
折り目をつければ戻しても折り目がついています。可変性と、それを維持することができるから、保存・保護ができるんです。
- 2006/06/12(月) 12:44:38|
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